僕がそう言うと、春也はご飯を目の前にして、待て!と言われた子犬のような顔をした。


ふんっ!


そんな可愛い顔、僕にだって出来るもん。




「でも、なんでお預けなわけ?」




翼が、愛莉の生徒手帳を閉じながら言った。


そんなのも分かんないのかぁ~…。





「愛莉って奴が、生徒手帳を探しに来るのを待つ。…だろ?」




香多は、興味なさそうな顔をしながら空を見上げて言った。




「おぉ!さすが、香多♪その通り!」




他の二人も、おぉ~。という感じに香多を見た。


さすが、僕の幼馴染なだけある!


実は、香多は小さい時からの友達。


それで、春也と翼は中学の時に知り合った。


だから、一応みんなのことを知り尽くしてるって言っていいほど、知ってる。




「愛莉、いつ気づくのかな~…!」




春也は、ウズウズとした様子だった。


どんだけ暇してんだよ…。


なんて思ったけど、僕が人のこと言える立場じゃない。


僕だって、実際は暇だったし。


それに、ウズウズしてるもん。