HRの終わりのチャイムが鳴り響くと、先生に挨拶をして教室を出た。


まぁ、まだ蟠りがあるんだけど…。





「季一っ!こっちこっちー!!」





昇降口を出ると、校門の方で春也の声が聞こえて視線を向けた。


そこには、いつもの3人と愛莉がいた。


もう捕まってる…。


クスッと口角をあげて、僕は皆の元へ走った。




「ごめん!ちょっと、女子に呼ばれてて…」


「…っけ!また、季一かよぉー!!」





春也ってば、そういう言葉ダメでしょ。


だから、僕みたいにモテないんだよ。


少しは勉強して下さい…って、ちょっとちょっと。


香多、いないじゃん。





「季一」


「ん?」


「香多、もう遥か彼方にいる」


「あ!もう、香多ーっ!!」