ピエロ

大丈夫
きっと逃げられる

大丈夫

由紀は自己暗示の様に
自分に言い聞かせた

早く自由にして
あんな狂った男の
所にいたら
私も狂っちゃう
それだけは嫌
神様
最後の願いを聞いて下さい
ここから助けて下さい
お願いします
私に普段の生活を
させて下さい


人って言うのは
普段は頼りもしない
ましてや
普段なんか
(神様なんていない)
なんて言ってるのに
困った時は神頼み
都合の良い様に
自分で解釈してしまう
そんな生き物なのだ

けど
人は困った時にしか
頼らない神様を
困った時は本当に信じ
そして
崇拝し
崇め
大きな希望の光にする

今の由紀には
理不尽だけれど
神様を頼り
大きな希望の光を見つけ
その光を頼りに
これからを
生きていく


けれど時が経てば
自由になりたいの
考え方も少しずつ
変わって行き...。

最終的には
殺して下さいの
考え方になってしまう
きっと
時間はかからないだろう
この部屋に詰まってるのは
希望なんかではなく
絶望
悲しみ
苦しみ

そして...。
狂喜
だけなのだから...。