そんな私の想いが伝わったのか、香椎くんは小首を傾げて見せて意味深に笑った。
「信用ないだろうとは思うけど」
この場でこの言葉遣いってなにー!!
「オレを信じてほしい」
この一言に結局ねじ伏せられてしまう。
「でも……条件付きなら許しても構わないけど」
見つめる先の香椎くんが一歩私に近づいた。
「彼女と会うときは絶対にオレも同伴すること。
これ、守れそう?」
お願いだ。
お願いだ。
お願いだ、香椎くん。
どうかこれ以上『オレ』って言うのは止めて!!
反則。
まぢで反則。
私、脳天まで痺れて動けなくなってる。
「約束できそう?」
執事じゃない。
執事なんかじゃない。
ただの男の顔がそこにある。
なのに私、その顔がなんだか好きでたまらない。
「はい……」
これじゃどっちが主人なんだかわかりゃしない。


