愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~


パッと香椎くんのほうを見る。


すると香椎くんは両手を広げて肩をすくめてみせた。


なんだ、香椎?
おまえはアメリカンか?

そのリアクションは何だ?
それでいてその目は何だ?

『ですって、お嬢様?』

って言いたげなその目はなんなのよっ!!


「香純さん、あのね……」

「大丈夫ですほんとに大丈夫です。
私、セリ様が猫被ってるなんて、絶対に誰にも言いません!!」


そういう人が一番信用ならないのよって昔誰かが言っていた気がする。


「信じられないかもしれないですけど……そのあの。
だったら友達。
友達になればどうですか?
それなら大丈夫って思いませんか?」


すでになんの話をしているのか私には理解が出来ません。

んなわけで香椎くんに助けを求めると、またしても目が厳しくなっていた。


「キミに対しての疑いが晴れてないんだけど」


お願いだ、香椎毅臣。

もう少し下から出てくれないだろうか?

少なくともあなた、私の執事っちゅー名目背負ってんだからさ。

それともあれか?

私以外に敬語とか使うのめんどくせーよとかいう口か?

そうだな。

この男は執事じゃなくて『もどき』だもんな。