愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~


課題。
課題って宿題ってこと?

そもそも、なんで課題が好きかなんて聞かれにゃならんのだ?

そんなもの嫌いに決まってる。

昔から山のように課題を突き付けられて、なんとかギリギリ踏ん張ってやってきたんだ。

なのに、これ以上増やされてたまるかっ!!


「嫌い」


香椎くんの、あまりに近すぎる目に心臓が爆発寸前といった具合にバクバク鼓動している。

これでキスなんかされてみろ!!

口から心臓飛び出して、香椎くんに食われちゃうんじゃないか?

頼む。
頼む。
頼むから……離れて、香椎くん!?


「……そうですよね」


ゆっくり離れながらそう言った香椎くんの言葉に、私の心臓が一瞬跳ねるのをやめた。

なんて言った?


『そうですよね』って言った?


『嫌い』と言った私の言葉を……あなたは受け入れてくれるの?


呆然と見つめる香椎くんの顔に……うっすらだけど影が落ちているように感じた。

満面の笑みに……不釣り合いな影。

だけど、その影になんとなく私は救われるような気がした。

ううん。


どこか……自分と似ている。


そんな気がしたの。