愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~

結局、マシューは『芒に雁』の札で『芒に月』を取った。

山からめくられた札は『菊に杯』。

場にある『菊に青短』でその札を手中にしたということはこれで『花見酒』と『月見酒』の役は揃ったことになる。


ここでやめても10文獲得。


香椎君の持ち点を半分にできる。

無理にこいこいをする必要はないけれど……

マシューはおそらく短期決戦を望んでいる。

と思うから、ここは……


「こいこいッ!!」


やっぱりね。

これで次の役が揃わない限り、マシューは止めを宣言できなくなる。

つまり、今できている役の得点を加算できず、もしも香椎君が役を揃えて『止め』を宣言した場合は香椎君に得点が加算されることになり、マシューの持ち点が減ってしまうことになりかねないのだ。


「いいのかな?」


揺さぶりをかけるようにそう香椎君が言った。


「なにがだよッ!!」

「こいこいなんて勝負に出なくても、もっとゆっくりやったらどうかなと思っただけですよ」

「なに!?」


香椎君、明らかに挑発してます。