「あはは、それ本気?」
医務室でアイシングしながらマシューはプッと真っ赤なほっぺを膨らませて見せた。
「本気に決まってんだろ!? オレの嫁はセリ以外考えられん」
「だって私、マシューより8つも年上だよ? マシューが18の頃、私26歳だよ。おばさんじゃない?」
「なに言ってる!! セリはおばさんなんかじゃないし、おばさんなんかにならないッ!!」
いや、ほんとに可愛いんだけど。
「でもなぁ……ちょっと困っちゃうなぁ」
嫁は難しい話だなと思う。
どこかの貴族へ嫁ぐのは問題外だし。
いや、それにしたって私にはもっと問題が大きくて。
「なんだよ、オレ様じゃ不満なのか? オレ様がまだ小さいからなのか? それともあれか? あのエロオヤジがダメって言ってんのか?」
マシンガンのようにまた口が回る。
確かにマシューは小さいし。
エロオヤジ、失礼、香椎君もうんとは絶対に頷かないだろうけれど。
根本はもっと違うところにあるわけで。


