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身長130センチ。
10歳。
それが私の知るマシューのすべて。
イギリスの名門貴族の御子息であるらしく、マシューは姓を名乗ることはない。
ここの理事長がマシューの祖父母と親友ということで、長期の休みにはここで彼を預かっているらしい。
『神の贈り物』という名前のとおり、彼の姿は見るものを魅了する可愛らしさに溢れていて、将来の彼が愉しみという噂もよく耳にする。
名門貴族の御子息らしからぬ言動に、親しみを持ったのはおそらく、彼がどこか私に似ているからということに尽きるのだけど。
「なぁ、セリ。オレ様、セリを絶対に嫁にするからな」
会うたびにこういう台詞が彼から飛んでくる。
これが香椎君の神経を逆なでている一番の原因なんだけどね。
自分の年の半分以下のお子様に本気で食いつく大人げない一面を見ることになるなんて、ここにくるまで想像すらしてなかったし。


