その顔が本当に淋しそうに私に映って……思わず彼女の手を両手で握りしめていた。
「今日は楽しもう。
ね!?」
そんな言葉が飛び出すくらい。
「は……はいっ!!」
顔を真っ赤にして、こくんと頷く香純さんがなんか妹みたいにかわゆく思えてならなかった。
そうよそうよそうなのよ!!
エターナルランドに来たのよっ!!
遊園地なんてものに来たのはいつぶり?
幼稚園くらいのときに一度誰かに連れてきてもらった記憶はあるけれど。
ん?
ダレカ?
って、誰よ。
記憶を辿ってみるけれど、どうもその人物の顔が思いだせない。
私、そのとき迷子になって泣いた覚えはあるのよね。
で、その誰かが私のこと、すっごくすっごく探してくれて、すっごくすっごく慰めてくれて。
誰だっけ?
「お嬢様、迷子になっちゃいますよ」
耳元で不意にかけられた声に身体がビクリと反応し、背筋が伸びる。
振り返ればすぐ傍に香椎くんがいて、真顔で私のことを見つめていた。
「子供じゃないんだから大丈夫よ」
そう言ってスタスタと歩き始める。


