当日…。

俺は5分前に約束の場所に行くと…既に奴らは来ていた。

『来たようだな…。』
『来ないと殺されるからな。』

会話はそれだけで沈黙の時間が刻々と過ぎる。



俺は今日武器を持っていたんだ。
ナイフ…致命的傷を負わせられるくらい殺傷能力の高いナイフ。

使わないで良いなら…良いんだが…。






『なぜ珠夏を殺した?恩人だろうに…。』

俺が問うと

『恩人なんかじゃない。勝手に恩を買わされたんだ。
…元々ムカつくし。』

そんな答えが戻って来る。



『それだけで殺したのか…珠夏を。…罪悪感はあるのか?』

これが否定された時俺は…。

『…ない!理由もなにもかもないさ!!』

嘲笑っている。

愚かな奴らだ。







『じゃあ………ろ。。。』
『なんかいっ…っ!?』

俺は刺した。

『消えろって俺は言ったんだよ?』

さっきまで呆然と立っていた女の方は警察を呼ぼうとする。

『…!!てめ、ポリ呼ぶからなっ!!』

『呼べよ…このままな?』

『な!?…っ!!』



こうして俺は晴れて殺人犯だ。

2人も殺した。

自首するか…逃げ切るか…。



『自首しよ…。』

そうすると俺は返り血で真っ赤に染まった手で携帯を取ると110番を押す。

そして
『今2人殺したから…自首するから…来て。』

精神的に俺はあの日に壊れてたんだ。

あの日泣けなかった分今日泣いた。

思う存分たまってたものを吐き出した。



俺への判決は
【執行猶予付きの懲役3年】
こんな判決で良いのか?

2人も殺したのに。



いっそ死刑の方が救われた。
無期懲役はキツい。


責任を背負わなければいけないから。


ごめん。
珠夏。

ごめん、皆。



俺の牢生活はこうして始まった。