その声がする方をウチはすがりつくような思いで見た。

でも、その声の主の姿は見えない。。。

「誰?…いや、誰でも良いや。助けて?何でもする…から。。。」

ウチが助けを求めると姿を現してくれた。

『その言葉、責任持てよ?』
という声の後に隣で凄い鈍い音がした。

あれほどしっかり捕まれていた腕からそいつの手はみるみる離れていった。

「ありがとうございました!」
ウチは頭を下げた。

『いや、何でもってヤツに惹かれただけ…頭上げろよ。』
そういわれたウチは顔を上げた。

するとその人はこの辺りじゃ超有名な暴走族の頭である紅 雄獅(くれない ゆうし)だった。

ウチはあわててもう一度頭を下げてしまった。

『頭上げろって言ったの…聞こえなかった?』

その声は透き通るような甘い…でも低い何とも言えない声だった。

「あ、ごめんなさい。それで、何をすれば…?」
ウチはおそるおそる聞いた。

でも、雄獅は見れば見る程綺麗な顔をしていた。
目は猫目っぽくて鼻筋は通っている。
そんでもって金髪に染められた髪の毛は細くて少し癖を帯びた猫ッ毛…本当噂通り猫みたいな人だ。

雄獅の噂は大きく3つ
★猫みたいな可愛い人。
★女なら誰でも食べる。
★…喧嘩すると病院確実。

『じろじろ見んなよ…。』
そういった雄獅は頬を少し赤らめていた。