「よ、よかったね!何事もなく行ってくれて!あ、あは、何かと思ってびっくりしちゃった!」



平静を装ったつもりが


でてきたのはなんとも情けない声で


自分で笑っちゃうくらい。



杉下くんは


さっき地面に押し付けた煙草の吸殻を拾い上げると

携帯用灰皿の中に放り込んだ。


こんないかにも怖い人って感じの顔してるのに


変なとこ真面目だから面白い。


「ちっ」


「どうしたの?舌打ちなんかして。せっかくやり過ごせたのに」


小首を傾げて問うと



「気にすんな。」



と自分の頭をくしゃくしゃとかき回した




「ふ〜ん」




しかし、

三人とも目立つ髪の色


こんな時間にここにいるってことは

不良?


といったら


「お前が言うか」



と返された。