―始まりの地(彩華村洞窟前)―



夜になり、俺は洞窟前に立っていた。


まばたきする度に嫌な思い出が頭を過ぎる。


考えても仕方ないか‥。


―『薫‥悪魔の魂食わせてくれよ?ついでに‥あいつの魂もな~』―



「そんなに焦んなよ。心配しなくても…全部食べさせてやるから落ち着け。」



そう言ってタバコをくわえ、火をつけた。


よし…行くか…。




「あれ?薫じゃん!」


声が聞こえて振り返ると、涼風が居た。


「何でお前がこんな所に居るんだよ。」


俺は涼風に言った。


「別件っていうか…そんな所かな。パペットって奴殺しにきたの。」



今までに感じたことのない気配を感じた。


「あのザコが昔のことに何か関係があるのか?」



煙を吐いて言った。



「あるわよ。だからこんな所にまで来てるんじゃない!」



ったく…。


まさか他の奴に会うとは思わなかったな…。



俺と涼風は洞窟の中に入った。