米さんの所から出て、アジトに戻ろうと思って伸びをした。
「優君。少し時間ある?」
涼風さんはタバコをくわえて火をつけた。
「はい!ありますよ?」
「じゃあ少しお話しようか!」
俺は涼風さんに連れられて喫茶店に入った。
「涼風さんってタバコ吸うんですね~!」
そう聞くと涼風さんは笑って灰を灰皿に落とした。
あの時はよくわからなかったけど‥涼風さんってすごく美人な人だな~…。
とてもあんなすごい護り屋さんだと思わないよ。
「意外?私がこの世界に居るのが。」
「へっ?あっ…いや…別に~。」
慌てて答えた俺を見て涼風さんは笑う。
「私も意外なんだ~。4年前までは彼氏が居て…若いけど結婚しようとしてたんだよ?
それが…唐突に彼氏殺されて…その時にアイラと契約して今だもん。
ジェットコースターみたいな人生でさ…私自身もまだついてこれてない感じでさ…。」
コーヒーがきて、涼風さんはコーヒーを飲む。
「だから薫の気持ちもわかるよ?あの子と初めて会った時さ‥目に光がなくて、絶望に打ちひしがれてる感じが出てたもん。
あの子もいろんな物や人を失ってきたから…優君を失うのが怖いんだよ。
だから、ちゃんと支えてあげるんだよ?薫のこと。」
涼風さんは笑って言った。
「わかってます!薫は照れ屋で臆病だから。」
俺がそう言うと、涼風さんは顔を近づけて唇に触れるだけのキスをした。
「やっぱり可愛いね~!会計は私払っとくから!ありがとね!」
そう言って涼風さんは喫茶店から出ていった。
何か…大人って感じだな~。
俺も準備しよっと。