始末屋




「で?何の情報が欲しいんだい?」



米さんは涼風さんに聞いた。



涼風さんは扇子を広げたり、閉じたりしている。



「わかんないかもしれないけど…パペットって奴の居場所ってわかりますか?」



パペット…?



パペットって…昨日のあいつか…。



でも何でだろう?



「涼風さん!何でその人のこと探してるの?」


俺は涼風さんに聞いてみた。


「ん?ちょっと…昔の因縁でね…。で?知ってます?」



「パペットねぇ~…。聞かない名前だね。」



米さん知らないんだ~…。


始まりの地に居るんじゃなかったっけ?



「残念だけど力になれないね。」


米さんが涼風さんに頭を下げる。


「そう…ですか…。ありがとうございます。」


「俺知ってるよ!」



そう言うと米さんと涼風さんがこっちを向く。



「優君?本当に?」



俺は棒付きキャンディを開けて口にくわえた。



「パペットですよね?この前戦った奴が自分で名乗ってたもん!」



涼風さんはこっちに来て俺の手を取った。


「優君教えて!あいつはどこに居るの?」


「始まりの地…。そこに居るみたいだよ?」



「始まりの地?」



「始まりの地については…米さんが知ってるよ。だから…米さん教えてよ。」



俺と涼風さんは米さんを見た。



「優…頭使ったわね。……薫の苦しみや過去を背負う覚悟があるんだね?」


米さんは俺に聞いた。


「あるよ。だって…薫は俺の過去も…苦しみも…ちゃんと背負ってくれたもん。だから次は俺が薫を背負う番だよ。」



俺がそう言うと米さんは溜め息を吐いた。


「始まりの地っていうのは…薫が悪魔と契約した場所であり…薫の時が止まった場所。薫の育った村…彩華村(さいかむら)の洞窟だよ。」



育った村…。


そこが始まりの地なんだ。



「あの村はよそ者を嫌う村だから…行くなら夜に行きなさい。」



米さんはそう言って奥に行った。