「497……498……499……500…。」
逆立ちして腕立て伏せを500回終わらせた。
立ち上がって拳を握った。
―『全回か?薫。』―
アビルが俺に聞く。
「あぁ‥。問題ないな。」
服を着て、首の骨を鳴らした。
「米婆!俺もう行くから。」
靴を履いて米婆に言った。
「はいはい。気をつけて行くんだよ?」
米婆は心配そうに言う。
「わかってるよ。」
タバコをくわえて火をつけた。
「それから‥全部終わったらちゃんと優に謝るんだよ?」
優か…。
あいつちゃんとやってるかな…?
まぁ、理恵も覗きに来るだろうから心配はないが…。
もし仕事が入ったら‥あいつ1人でちゃんと話せるかが心配だ。
「心配なら優も連れて行けばいいじゃないかい。」
米婆が俺の顔を見て言った。
「バカ言うな。優は巻き込まない。そう決めてたんだよ。」
煙を吐いて、外に出た。
あそこに行くなら夜じゃねぇとダメだから…
久しぶりに町でもぶらつくかな。
俺は表の町に向かった。
