―始まりの地―




美しい。


この純粋な闇の気配。


封印されている今もその闇は暗く、重く、沈んでいる。


私はその魅力的な闇に溶け込んでいる。


「…あんたはそれを見るのが好きなんだな。」



声が聞こえて振り返ると、ソードが立っていた。


ソードはこちらに来て剣をSAKURA様に向かって出し、魂を捧げる。



「ノルマは達成できましたか?」


私はソードに問いかけた。


「当たり前だ。金をもらってる以上仕事はちゃんとするさ。」


ソードは岩場に座って水を飲む。



「さすがソードだな!俺も仕事はちゃんとしたぜ?こいつは…へまやらかしたがな!!」



ポイズンが戻ってきて、パペットを地面に落とした。


そしてポイズンは魂を捧げる。



「すいません…。もうこんな失敗しませんから…今回は許して下さい…。」


私に向かってパペットが土下座する。


そのパペットの頭をポイズンは踏みつけた。



「このバカ人柱に勝手に会ってこの様だ!本当に迷惑のかかる奴…。ダークの計画聞いてなかったのか?俺達が集まってからあのガキを拉致する計画だったのによ!殺してやろうか?あぁ?」


ポイズンはパペットの顔面を蹴り飛ばす。


「やめとけ。仕事内容はともかく…今はそんな奴でも居なくなれば穴はでかい。それに…その人柱がここに来ようが殺せば問題はない。

それとも…その自信が無いから苛立っているのか?ポイズン。」


ソードがポイズンに言った。


ポイズンはソードに近付いて、目の前に座った。



「口の聞き方に気をつけろよ?この俺様があんなザコ相手に負ける訳がねぇ。」


「なら‥ザコみたいに焦るなよ。」


まさに一触即発。


相も変わらず、血の気の多い方々だ。



「やめなさい…SAKURA様の前で‥。ともかく‥足りない魂を人柱で補えば…SAKURA様は復活します。」



しばらくお待ち下さいSAKURA様。


もうすぐその檻から出してさしあげますよ。