俺はそのまま電車に乗って扇杜に戻って、米婆の所に向かった。


「米婆、今日泊めてくれ。」


「何だい薫。どうかしたのかい?」


米婆がのそのそと奥から出てきた。



「……封印が解かれるかもしれない。」


俺がそう言うと、米婆の表情が変わった。

「…桜かい?どこから情報を手に入れたんだい?」



米婆は座布団に座って俺に聞く。


俺もイスに座ってタバコに火をつけた。



「今日戦った相手から聞いた。始まりの地って…確実にあの場所だろ?」



「行くのかい?危険じゃないかい?」


心配そうに米婆が聞く。



「封印解かれるよりかはマシだ。」


「だからここ最近殺人事件が多かったんだね~。」



タバコを消して、奥に行った。



「優が来ても何も教えないでくれ。これは俺だけの問題……あいつは巻き込みたくないんだ。」


俺がそう言うと、米婆はこっちを見る。



「優とコンビを組んで、だいぶ変わったと思ったけど…相変わらず1人で背負い込む癖は治ってないんだね~。」



……少し変わってきたから…巻き込みたくないんだっての。


何でそれが分からないかな。


「汚れ役は俺だけで充分なんだ。頼むな。さすがに寝ないと傷が癒えないから。」



10万を米婆に渡して、タオルケットを取って眠りについた。