紅堕羅を振り下ろす。
だが、目の前に何かが通ってパペットは居なくなった。
「その辺にしてもらおうかな。こいつも一応人柱…まだ生かしておく必要があるんでね~」
声がする方を見ると、廃ビルの頂上にボサボサの長い髪を揺らしている紫色のシャツを着た痩せた男がパペットを抱えていた。
新手か…。
今の体力じゃ…2人を同時に相手するのは…。
優も隣に来て、男を見上げる。
「始末屋…お前達も生け贄だ~。今は目を瞑ってやるよ!その方が…お互いの為だろ?」
俺達を指差して言う。
「ふざけろよカス…。ザコが1人増えようが関係ねぇ。今から相手にしてやるよ。」
俺は紅堕羅の切っ先を男に向け、優も構える。
「だから~…。」
男が視界から消える。
「薫!後ろ!」
優が言うのを聞いて後ろに紅堕羅を振った。
だが、男は後ろには居なかった。
「お前には無理だ。レベルが違う。」
男は俺の背中を蹴った。
「ザコが…。調子に乗るなよ?あぁ?」
優は男に殴りかかるが避けられて、殴り飛ばされていた。
そして、倒れてる俺を蹴りつける。
「お前は俺達によって生かされてるんだよ。調子に乗るのも程々にしとけや。」
ちっ…!
体力が残ってたら…こんな奴…!!
俺は男を睨みつけた。
男は俺の髪の毛を掴み、舌を出した。
「俺はポイズン。お前が封印した悪魔を目覚めさせる者だ。そして…お前達も生け贄だ。始まりの地でお前達を殺してやるから…せいぜいその日まで楽しみな。」
そう言って札束を俺の目の前に置いた。
そして、ポイズンは闇の中へと消えていった。
