始末屋

夜になり、B地区に向かった俺達。


辺りは人の気配どころか虫の鳴き声すらしない奇妙な場所になっていた。



「気味が悪い所だね。ガーディアンも少し脅えてる。」


優が辺りを見回して言った。



―『いいね~!いいね~!この感じ!!ひりついたこの感じ!!間違いなく同族だ!!久しぶりに悪魔の魂を喰らいたいね~!』―



「アビルは随分と上機嫌だ。どうやらここで正解みたいだな。」



俺は瓦礫の上に座ってタバコを吸った。



「イスーラは同じように喜んでるけどね。前に出てこられないように気をつけ‥‥って来るよ!」



優が言ったのを聞いて、俺は前方を見つめた。







ザッ‥ザッ‥ザッ‥ザッ……。


僅かに光る街灯の下には




真っ黒の長いコート、黒のズボン、顔も見えないくらい深く被った黒い帽子の人。



「本当に季節違いだな。」



「こいつが…犯人…。」



そいつは俺達の方に来て、俺に殴りかかる。


俺は余裕で避けて、手を掴んで地面に顔を叩きつけた。



「これで終わりか?あっけねぇなぁ。」


「様子が…おかしい…!」


優が辺りを見回して言う。



すると、周りを同じ格好をした奴に囲まれていた。