始末屋

―始末屋アジト―



「暇だね~」



「うるせぇ。」



優は机に体を伏せ、俺はソファーに寝転んでいた。



タバコを吸い、煙を吐いた。



誰か来ねぇかな。


仕事が無さすぎるのもダメだな。



コンッコンッ…!



おっ。



「優。」



「はいは~い!」



嬉しそうにドアの方に行き、ドアを開ける。



「始末屋のアジトはここ?」



ドアの向こうには女が立っていた。



「ここだよ!依頼人さん?」



「そうだけど…。」



「じゃあこっちに座って下さい!」



優は女をイスに座らせた。



「ほら薫!依頼人だよ!こっち来て!」



ダルく起き上がって女の方に向かった。



「ようこそ。始末屋へ。俺達の所に来たってことは‥よっぽどの状況なんだな。」



女は俺をじっと見つめる。


何だこいつ。



「あなたが‥扇杜の死神?噂通りガキなのね。」



女は笑いながら言った。



「ムカつく女だ。口の聞き方には気をつけろよ?じゃねぇと‥」



俺は女の真正面に座り、睨みつける。



「殺すぞ…女‥。」



女は俺の目を見つめ、蛇に睨まれたように動けなくなっていた。



「薫!依頼人さん脅しちゃダメだよ!」



「わかってるっての。からかっただけだ。」



タバコに火をつけ、煙を吐く。


女は名刺を俺達に差し出した。



この女‥。



「それを見てわかると思うけど、私は結城グループの社長の1人娘‥結城 理恵よ。」



「へぇ~‥。結城グループの娘さんが何の用だ?小遣いでもくれるのか?」



名刺をヒラヒラさせて俺が言った。



「すいません!この人口の聞き方あまり知らないんで!」



「誰がだよ。」



優の頭を殴った。



「俺は薫。こいつは優だ。早速依頼の話しましょうか?結城グループの娘さん。」