始末屋

「ここ最近深奈多で起こってる神隠し事件を知ってますか?」


木村が俺に言う。


「あんだけニュースで流れてたから知ってるよ。」


タバコを消しながら言った。


「その事件で…実は同好会の人達が行方不明になってしまって…。まぁ、事件が起こり始めた時に現場に行った僕達も悪かったんですが。」


「何の同好会だったんだよ。わざわざそんな現場に行くような同好会なんて聞いたことねぇな…。」



コーヒーを飲んで木村に聞いた。



「ミステリー研究会です。神隠しってことで調べてみようってなってて…遊び半分で行ってしまいました。」


木村は俯いた。


「遊び半分って…状況がわかってたの?絶対危険だってわかるじゃん!」


優が木村に言った。


「まぁまぁ。神隠しなんて早々何回も起こるもんじゃないって思うのは当たり前っちゃ当たり前だ。そんで…依頼内容は?」


俺が木村に言う。


「依頼内容は…深奈多の神隠し事件に…もし犯人が居たら始末してほしいんです!お願いします!」


木村は俺達に頭を下げた。


「……報酬によるな。犯人が居るか居ないかも分からねぇ状態じゃ手の打ちようがないしな。」


コーヒーカップを揺らしながら言った。


「報酬は800万円までなら出せます!だから何とかお願いします!」


800万って…こいつ何者だよ。


「言ったからには払ってもらうからな?あと…前金に100万置いてけ。」


そう言うと、カバンから金を出して俺達の前に置いた。



「お願いします!ではまた!」



木村はそう言ってアジトから出ていった。