始末屋

ガキを座らせて、俺達もそのガキの目の前に座った。


理恵は俺達にコーヒーを入れてソファーに座る。



ガキは相変わらず目を輝かせて俺達を見つめる。



「お前みたいなガキが何でこんな所に来たんだ?」



コーヒーを飲んで俺が口を開いた。



「理恵ちゃん苦い~!砂糖入れた?」


優は理恵の方に振り返って言った。


俺は優の頭を掴んでこっちを向かせた。



「理恵の横で甘ったるいコーヒーでも飲んでろバカ。」



そう言うと、優は席を立ってソファーの方に行った。



「ハハッ!やっぱり噂通りだ!キレやすい薫と天然の優!」


ガキは笑いながら言った。


俺はタバコをくわえて火をつけた。



「さっきから気になってたが…噂ってどこから聞いたんだ?」


そう言うと、ガキはカバンからノートパソコンを取り出して俺に見せた。


これは…サイトか…。


掲示板式のサイトで、裏扇杜の裏稼業の評判などが書いてある。



その中には始末屋の名前や俺達のことも書いてあった。



「今やインターネットは情報収集には欠かせない存在になってます。この中から1番評判のいいあなた達の所に依頼しにきたんです!」



知らなかった…こんなサイトがあるなんて…。


ガキはテーブルに置いてある灰皿を俺の前に差し出す。



「僕は木村 咲人!灰…落ちますよ?」


「あぁ…悪い…。」


俺は灰皿に灰を落とした。



「依頼してもいいですか?」


木村が俺に言う。


「内容を聞こうか。おい優!こっち来い。」



優を座らせて依頼を聞く体制に入った。