―楓と玲央奈―



「楓!!居たよ!!」


「よしっ!このまま挟み撃ちや!もう逃がさへんで?」



俺と玲央奈はターゲットを追い込んでいた。



「一気に行くで?」


「うん。せ~の!!」










「ニャアッ!」


玲央奈はしっかりとターゲットの白い猫を捕まえていた。


「やっと捕まえた~♪もう逃がさないからな~!」


猫に顔を寄せる。














「本当にありがとうね~!う~ん!マリア~♪あんたはすぐに私から逃げまちゅね~♪」


香水の匂いがキツい金持ちの派手なオバサンが白い猫に顔を押し付ける。


猫は嫌そうに前足で必死に抵抗していた。


「あんなオバサンじゃ…逃げたくなるのも当然だね…」


玲央奈が聞こえないように俺に呟いた。


俺は玲央奈の頭を叩いた。


「いや~!ほんまによかったですな!さて…依頼料30万の方をお願いできますか?」


笑ってオバサンに言った。


「本当にありがとね~?また居なくなったら頼んでもいいかしら♪」


そう言って俺に封筒を渡した。


「もちろん!いつでも言うて下さいね!」


オバサンは帰っていった。



「あのオバサン…。そんなに猫とずっと居たいならリード付ければいいのに。」


玲央奈は伸びをして言った。


「えぇやないか!猫が居なくなり続けてくれたら少なくとも30万はずっと入り続けるんやから♪」


封筒を開けて金を数え始めた。


「薫に会いたいなぁ~…。せっかく長い髪切ったから見てほしいのに。」


玲央奈の腰元まであった長い髪は、今は肩にかかるくらいのショートになっていた。


薫はんと優か~…。


元気にしとるかな??


あの2人とまた仕事したいな。





この体が…俺の体であるうちに…。