アビル…?


俺は一体…。


―『あのカスに勝って…力を使い果たして…軽く死んでただけだ。』―


アビルは素っ気なく言う。


俺が死んだなら…何で俺の魂を食ってないんだ。


―『気が変わった。右の二の腕を見てみな。』―


言われた通りに右の二の腕を見てみた。


そこには骸骨の紋章が入っていた。



「何や…それ?薫はんそんな刺青入れてたか?」


楓が紋章を見て俺に聞いた。


―『玲央奈って小僧は目が赤いだろ?それと一緒でお前には俺の紋章を入れた。これでお前は俺と本当の契約をしたことになる。寿命を迎えて死ぬまでな。それまでお前と過ごすことにした。お前と居れば餌に困らないからな。』―


本当の契約…。


それによって救われたのか…。



俺は…まだまだ弱い……。


結局何も守れてない…守られてばかりだ…。



拳を握った。


「桜…。俺は…まだ弱い…。だから…強くなりたいんだ。桜を…ちゃんと守れるように…。」


桜を見て言った。


「薫…。何だか…昔よりもたくましくなってるね。かっこいいよ!」


桜は笑って言った。



「優…。お前との約束は…まだ守れそうにない。お互い今より強くなって…決着着けよう。」







「うん。俺も同じこと言おうと思ってた!!強くなって…ちゃんと戦おう!」


俺と優は拳を合わせた。



「あっ…!遅くなったが…ただいま。ちゃんと帰ってこれたみたいだ。」


皆に笑って言った。


すると皆はしばらく黙って笑い始めた。



これが…俺らしいか…。


やっと見つけれた。


俺のかけがえのない居場所…。



ずっと大切にしよう。


この幸せを…。













最終章~Last Disposal~


―完―