俺は笑ったままデスアビスに手をかざした。
『な…何よ…。何がおかしいの?!』
焦った顔で俺を見る。
「本当にバカだな…お前。お前の失敗は俺を強くしすぎたことだ。俺はお前を殺せる。残念だったな。」
そう言うとデスアビスは笑い始める。
『私は再生の悪魔王よ?あんたが何をやっても再生することができる。なぜな「なぜなら。」
俺はデスアビスの言葉を遮った。
「なぜなら…目にも見えない悪魔の種子を破壊しない限り…私は再生することができる…。そうだろ?」
笑ってデスアビスに言った。
「そんなこと随分前にアビルから聞いてる。なら…その悪魔の種子ごとお前を粉々にすれば解決だ。」
『不可能よ。あんたアビルと契約してるからって…まさか自分が強くなってるって勘違いしてない?だいたいアビルは私達の中でも一番劣ってる存在よ?!中途半端な悪魔王の力なんか私に効かないわよ?』
デスアビスは笑って言う。
「…だそうだが?どうする?」
―『あのカスは何も分かってねぇ。もう興味もないわ。お前の好きにしろ。』―
じゃあ…好きにさせてもらうか。
「……今こそ解き放つ時。全てを破壊する悪魔王の力よ。邪念‥怨恨‥欲望‥その力で全てを焼き尽くせ。我が言霊により‥その力を解放せよ!」
俺の周りに無数の黒い球体が浮かび上がった。
『なっ…?!この技は…!』
デスアビスの顔に焦りが戻る。
「お前の負けだよデスアビス。この技はお前を粉々に破壊するまで止まらない。
よく狙えよ?狙いはあの悪魔だ。」
球体はデスアビスに狙いを定める。
「終焉の…黒き雨!!」
球体から一斉に黒いレーザーが放たれる。
デスアビスは必死に避けていくが、とうとう当たってしまう。
その瞬間、他の球体もデスアビスにレーザーを放つ。
『私…は…!!』
しばらくすると、その場所には血が飛び散り、デスアビスは完全に消えていた。
終わったんだ…全部…。
俺はゆっくり地面に倒れ込んだ。