始末屋


4年間…この手を伸ばし続けていた。


何もできずにもがいて…何度も諦めかけていた…。



でも…やっと届いた…。



俺がずっと助けたかった…君に…!


「桜!桜!!」


体を揺すって呼びかけると、静かに瞼が開いた。


「…かお…る…?薫…なの…?」


俺は桜を強く抱きしめた。


「あぁ…。薫だよ…。ずっと…会いたかった…。桜…!」


堪えきれずに涙が溢れ出た。


桜もゆっくりと俺の体を抱きしめる。


「私も…会いたかった…!薫…!薫…!もう…離れたくない…!」


俺の胸で桜も涙を流していた。



デスアビスは体の調子が悪いのか、地面に倒れたままだった。


闇の方を見ると、開きかけていた。


「…桜…。帰ろうか。」


俺は桜に笑って言った。


「うん…!」


俺達は闇の方に向かった。


『逃がさない…!薫…!殺してやる…!』


デスアビスが立ち上がって俺達を睨み付けていた。


桜は恐怖からか俺の腕を掴んだ。


「…大丈夫。もう怖い思いなんてしなくていい。桜は自由なんだ。桜の思う通りに人生を歩める。」


悪鬼羅刹を出し、開きかけている闇を斬った。


すると皆が俺達を見つめた。



「桜を救う為に…皆頑張ってくれた。ちゃんとお礼言えよ?」


桜は嬉しそうに頷いた。


「桜…愛してるよ。」


俺は桜の目を見て言った。


「薫…何か…昔よりかっこよくなってる…//私も…愛してる…。」


桜は顔を赤らめて言った。



「幸せになれよ?ちゃんと見守っててやるからさ。」


「えっ…?」


ドンッ!


桜の背中を押して、この場所から出した。


「薫!!」


優が俺の方に来ようとする。


「来んな!!桜を…よろしくな?」


俺は笑って言った。


「嫌…!嫌だよ薫…!何で…!」


桜が俺に手を伸ばすが、闇はまた閉ざされた。



何でって……。


死ぬ時なんて…見せれる訳ないだろ…。


俺は涙を拭いてデスアビスを見た。