『薫♪』
ザンッ!!
「ぐぁっ…!!」
デスアビスは聖水を避けて俺の後ろに回り込み、背中を鎌で斬った。
更に俺の背中を蹴り、地面に倒れた瞬間に踏みつけられた。
『そんな物使っちゃダメでしょ~?せっかくの戦いが台無しじゃない。』
俺の背中を思い切り踏みつける。
「ぐっ…!」
『あんたが愛した人の体と殺し合う。その素敵なシチュエーションが最高なんじゃない。取り戻したい体はすぐそこにある!なのにどれだけ手を伸ばしても!どれだけ強くなっても!愛した人は戻ってこない!』
背中を踏みつけ続け、俺の髪を引っ張って耳元に顔を近付けた。
『悪魔に全てを奪われ…取り戻す方法もなくなり…あんたは愛した人と殺し合う決意をする。昔は愛し合っていた…なのに今は殺し合う関係に変わっている。
最高だと思わない?♪人間はこういう遊びができるから面白いのよ。私達悪魔とは違い…感情で動くのが人間。泣きながら私と戦い…結局何もできずに奪われてしまう…。滑稽すぎて笑っちゃうわ♪』
顔面を地面に叩きつけて笑う。
今なら……。
ポケットから小瓶を出し、デスアビスに向かってかけようとした。
パシィッ!
手元を叩かれ、無残にも小瓶は離れた所に飛ばされた。
『これで…全て終わりね?♪デスニードル♪』
小瓶は黒い針によって割られてしまった。
これで……。
『その顔最高!!♪♪これで聖水は無くなった!!さて…あんたはどうする?この子の魂を解放させるか…それとも手を出せずに死んでいくか!』
デスアビスはそう言って高笑いをした。
