始末屋


ヒアが死んだからか、後ろに闇ができていた。


これを潜れば…デスアビスとの戦いか。


「薫!」


振り返ると、ヒアの死体の横に慎司が立っていた。


「慎司…。」


慎司は笑って俺の方に来た。


「お前…強くなったな!弱虫な薫の面影なんか全然ないじゃん!」


こいつ…死んでも全然変わってない。


「あの頃とは違うからな。こうなるしか生きていく方法がなかったから。」


そう言うと慎司は申し訳なさそうな顔をした。


「ごめんな。俺が興味本位で洞窟に行かなかったら…薫にこんな辛い道を歩かせることにはならなかったのに…。本当に…ごめん…。」


慎司は俺に頭を下げた。


「俺が薫から全て奪った…。普通の生活も…桜も…居場所も…。俺…ずっと薫に…謝りたかった…。」


俺は慎司の頭を上げさせた。


「この道は自分で選んだ道だ。あの時…俺は桜に殺されるって道もあった。でも俺は戦って取り戻す方を勝手に選んだ。

慎司のせいじゃない。慎司のお陰で…俺はいろんな世界を知れた。いろんな人と出会えた。だから何とも思ってない。謝られることも…今の俺には何もないさ。」


笑って慎司に言った。


「薫…。昔から優しいのは変わってねぇよな。いつも笑顔で何でも許してくれてた。罵倒しろよ…。自分の人生狂わされたんだぞ…!あのままいけば…お前は幸せに暮らせてたのに…!いつ死ぬかわからないような世界に居なくてすんだのに…!」


慎司は泣きながら俺の胸ぐらを掴んで言った。


「本当にもういいんだ。悪いことばかりじゃなかったから。ありがとう…心配してくれて。俺はちゃんと胸張って今が楽しいって言える。だから気にするな。」


慎司の体が透き通っていく。


「……絶対…死ぬなよ…?」


俺は何も言わずに頷いた。



それを見て慎司は微笑んで消えていった。


さて…最後の戦い…気合い入れて行くか。


闇の中に入った。