これで…終わらせる…。
「出ておいで…。ビッグ・ハグ・ベア。」
フィズの真後ろからボロボロの大きな熊のぬいぐるみが出てきて、フィズを抱き締めた。
目を模したボタンは右側が解れ、ボタンがプラプラとしている。
『これは…?!』
フィズはもがいて脱出しようとするが、ビッグ・ハグ・ベアは掴んで離さない。
「ビッグ・ハグ・ベア…。そいつは君の力を吸いとっていくぬいぐるみなんだ。その力は僕に伝わるようになってる。
更に…そいつは変わっててね。気に入った相手を自分の腹の中に入れる癖があるんだ。君は気に入ってもらえるかな?」
笑ってフィズに言った。
ビッグ・ハグ・ベアの腹が割れ、触手がウネウネとフィズの体に巻き付いていく。
『なっ…?!やめ…ろ…!私は…!』
「よかったね。君がお気に入りなんだって。悪魔は居るべき場所に帰れよ。この世界は…君には似合わない。
悪魔には深淵の闇こそがふさわしい。闇に帰りな。」
ビッグ・ハグ・ベアはフィズを腹の中に入れていく。
フィズは手を伸ばして脱出しようとするが、その手は虚しくも引きずり込まれていった。
「まぁ…腹の中に入るくらいで技は終わらないけどね。」
グチャッ…ブチブチッ…グチュグチュ…。
『や…やめ…』
フィズは消え入りそうな声で呟いていた。
ゴシャアッ!!
肉と骨を潰す音が聞こえ、ビッグ・ハグ・ベアの腹に血が滲んで滴り落ちてきた。
「ゲームは僕の勝ちだよ。残念でした~♪」
笑って言ってその場に倒れ込んだ。
ヤバいな~…。
力…入んないや…。
