パキッ…パキパキィッ…。


後ろを振り返ると、地面から氷の姿をしたフィズが居た。


腕を氷柱に変えて僕の腹に刺している。


『私は氷使い。自分を氷に変えることができる。』


氷柱を抜き、フィズは地面に潜っていった。



すると、フィズの形をした氷が教室内を埋め尽くした。



『気配など読める訳がない。私は今氷となっている。この氷像の中から…私を見つけ出すことができるかな?』


そう言って一斉に僕に向かって氷柱を飛ばした。



ドスッ…ドスッ!


「ぐぅっ…!」


避けきれずに足と肩に氷柱が刺さった。



この氷像をどうにかしないと…。


「ぐっ…!あぁっ!うぅっ…!ちっ!」


刺さった氷柱を抜いた。


「紅蓮の笑い猫…×10!!」


手を氷像にかざし、紅蓮の笑い猫を10匹出した。


笑い猫は氷像を両手一杯になるまで抱きしめる。



「燃やせ…笑い猫。」


口元の糸が切れ、一斉にニヤリと笑う。


笑い猫は発火して全ての氷像を溶かした。


逃げれる物なら逃げてみろ。


後ろに微かな気配を感じた。



「そこか…。死神の黒柩…序章、プロローグ。」


氷から出てくるフィズに手をかざした。



フィズの真後ろに出てきた黒い柩が開き、死神が溢れ出した。


死神はフィズを捕らえ、柩に押し込む。


『なっ…?!ちぃっ!』


バタン


「最終章…フィナーレ。」



パキィッ!!



「なっ?!」


斬撃の音は一切せず、黒柩は氷付けになった。