お互い距離を離してまた構えた。


この悪魔…隙が無いな…。


さっきの攻撃は結構予想外だと思ったんだけど、さすがに反応早い…。


どうやって斬り込もうかな~。


『何か考え事?』


フィズが微笑みを浮かべて聞く。


「あんたをどうやって倒そうか悩み中なの。生半可な攻撃は効きそうにないしね。」


爪を向けて答えた。


『なるほどね。悪戯猫が悪巧みって訳か。なら…考える暇は与えないようにしなくちゃね。』


手を僕にかざす。


『アイスホイール。』


薄く鋭い氷を出し、それが回転して僕の方に向かってくる。


それを避けてフィズに斬りかかった。


フィズはそれを避け、僕に殴りかかってきた。


拳をしゃがんで避け、足下を蹴って転かして斬りかかった。



『アイスシールド。』


氷の盾が爪を止めた。


ここから形状が変わる。


後ろに下がり、フィズから距離を取った。


『懸命な判断ね。でも技は終わってないわよ?』


振り返るとさっきの薄い氷が向かってきていた。


ギリギリでしゃがんで避けれた。



「危ない危ない。体が真っ二つになるところだったよ。」


僕は笑って言った。


『反応も早いし、技もある。久しぶりに互角の敵と戦えてるわ。』


フィズは起き上がって言った。


「互角?冗談言わないでよ。まだ全然本気なんて出してないけど?」


僕は笑って言った。


『奇遇ね。私もまだ本気出してないわ。だから少しだけ本気出してみようかなって考えてたの。』


フィズから放たれる気配が変わった。


さっきとは全然違う。



面白いな~。


こういう戦いワクワクしてしょうがないよ。


神経がひりつくこの感じ。



なかなか味わえないもんな~。