女の子は口元に手をあげ、私にピンク色の息を吹き掛けた。


すると痛みが無くなり、普通に立てるようになった。



何だ…この高ぶる気持ちは…。


「私の能力はフェロモン。貴方にラブフェロモンと快楽フェロモンを合わせた物を吹き掛けた。これで…脳に大量のアドレナリンが分泌できたはずよ。」


アドレナリン…。


なるほど…そうすることによって体を騙して痛みを感じさせなくしたのか。


「無理はしないことね。貴方の体は限界をとっくに越えてる。あとはカオルン達に治してもらって。」


そう言って立ち上がった。


「ありがとうございます。二朗も貴女が助けてくれたんですよね?」


私がそう言うと女の子は私を見た。


「これは仕事よ。やるべき事をしただけ。感謝される筋合いはないわ。」


女の子はそう言って門の方に向かう。


私もそれについていった。


「それでも…感謝しますよ。貴女のような気高く美しくて…強く優しい人を私は見たことありません。」


私は笑って言った。


「……そう見えるのは今だけよ。時間が経てば能力は消える。」


女の子は少し顔を赤らめて言う。


私達は門に着き、武器を取った。


「お名前聞いてもよろしいですか?」


「……富田 唯香よ。」


唯香…。


いい名前だ。


「貴方の名前は?」


私から目線を外して聞く。


「野上 史朗と申します。」


そう言って口で銃をリロードした。


「ふ~ん。気が向いたら覚えとく。」


「私は貴女の名前を覚えておきます。いつかまた会って…ちゃんとお礼をしなければいけませんしね。」



銃を門に向けた。


「仕事でやったって言ったでしょ!//」


そう言って薙刀を回して、門に斬りかかる。



私も門を銃で打ち始めた。



しばらく攻撃を続け、門を壊した。



「終わった…。」


私は地面に倒れた。



今回の戦い…。



失った物が多すぎる。



私はもっと…強くならなければいけませんね…。