「肉を切らせて骨を断つ…。私には少々野蛮な作戦でした…ね。
白い銃はフェイクです。貴方に突き付ければ間違いなく腕を斬る為に私に近付いてくると思いましたので…。」
私は笑ってギルに言った。
『こんな銃弾程度で私が死ぬはずが…!!』
ギルの体に当てた銃弾から闇が溢れだして無数の腕に変わり、ギルの体を掴んだ。
「ただの銃弾じゃ貴方は死なない。そんなわかりきったこと誰がしますか?
その弾は魂葬千手(こんそうせんじゅ)と言います。貴方が今までに殺してきた者の魂を腕に具現化し、貴方を同じ場所に引きずり込む弾です。それを見る限り…貴方はかなりの人を殺してますね。」
腕はギルの体を闇に引きずり込む。
「言ったでしょう?貴方を殺すと。生半可な弾など貴方に撃ちませんよ。たっぷり地獄で彼等と遊んできなさい。きっと楽しいはずです。悪魔の貴方にはね。
さて…私の名前は覚えて頂けましたか?」
ギルは引きずり込まれながら私を睨む。
『野上…史朗…!!』
「よくできました。私の言った通り…地獄にいってらっしゃい。」
私を睨み付けたまま、ギルは闇の中に引きずり込まれて消え去った。
今度こそ…終わった…。
体中に激痛と熱が走り、地面に倒れた。
右腕…無くなってしまいましたね…。
視界もボヤける…。
私は…死ぬ…のか…?
「死ぬの?貴方が死ねば…さっきの子はどう思うのかな。」
二朗の横に居た女の子が私の隣に来た。
そして着ているシャツを脱ぎ、斬れた右腕の傷を縛って止血する。
「残された人にできるのは…死んでいった人の為に頑張って生きることしかないわ。辛いかもしれないけどちゃんと生きるなら…私が助けてあげる。」
「…生きます…よ…。私は…この失った罪を…抱えて生きなければいけません…。」
そう言うと女の子は笑った。