始末屋


ふぅ…。


さすがに強かったわ~…。



―『すごい…。イラナスに勝つなんて…!!』―


アラナスは驚いた声で言う。


「やから言うたやろ?どっしり構えといてえぇって。」


俺は笑って言った。


―『フフッ!ありがとうございます。』―


アラナスは嬉しそうに言う。


そんなことを話していると、目の前に闇ができた。


ほな…帰ろうか。



「兄ちゃん!」


闇の中に入ろうとすると、紅葉の声が聞こえた。


振り返るとイラナスの死体の横に紅葉が立っていた。


「紅葉…。」


俺は紅葉の方に向かう。


「さすが兄ちゃんや。かっこよかったよ!!」


紅葉は笑って言う。


「紅葉…ごめんな…?あの時俺が早く帰って来てれば…お前は死なずに済んだ…。ほんまに…悔やんでも…悔やみきれへんわ…。」


俺はうつむき、溢れようとする涙を堪えて言った。


「顔上げる!うちは全然気にしてへんから。自分で決めた道やろ?やったら顔上げて進まなあかんやろ!ほんまにアホな兄ちゃんやわ!」


俺の頬をつねって紅葉が言った。


「兄ちゃん…。辛いの押し殺して戦ってくれてありがとうね。」


その言葉に堪えきれずに涙を流してしまった。


「アホ…!俺は…お前を二度も殺したんや…!礼なんかいらんわ…!」


そう言うと紅葉は微笑みを浮かべた。



「もともと死んどるんやから気にせんでえぇよ。兄ちゃん…置いて行ってごめんな?」


「ほんまや…!俺や玲央奈置いて死んでから…!ほんま…自分勝手な妹や…!お前は…!」


紅葉の体が段々透き通っていく。


「紅葉…!」


「兄ちゃん。玲央奈のこと頼むよ?あと…彼女の1人でも早く作り!バイバイ…兄ちゃん!」


そう言って紅葉の体は消えた。


「…余計なお世話や…!ほんまに…何も変わらん奴や…!」


俺は涙を拭いて闇の中に入った。