始末屋



私は……。


「私も…幸せになりたいよ…。」


持っていた扇子を地面に落とした。



私はうつむいて涙を流した。


―『涼風!!その男はお前の愛した人ではない!!目を覚ませ!!お前はバラクアに弱い心を操られているだけだ!!』―


アイラの声がするが、私は何も言わなかった。


『幸せになろう。ここはお前の為の世界。お前が望む物はここにあるんだ。』


バラクアは私の手を引く。



わかってる…敦史じゃないことは…。


それでも私は……。



「涼風。お前の居場所はここじゃないだろ?」


敦史の声が聞こえ、バラクアを見た。


『どうした?』


バラクアはわからない顔をする。


「お前は利用されている訳じゃない。皆に頼りにされているんだ。涼風なら大丈夫って信じてもらえてる。皆が涼風をちゃんと見てくれて…性格もちゃんと理解している。そんな関係をお前はずっと求めてただろ?顔とか体とかそんな表面を見るんじゃなくて…お前の心をちゃんと見てもらい…支え合う関係を望んでいただろ?」


敦史…?


「墓参りの時に言ってくれたろ?1人じゃないからって。お前はもう1人じゃない。信じれる人とちゃんと繋がってる。惑わされるな。そいつは俺じゃない。俺はもう涼風とは一緒に居られないんだ。」


悲しそうな声で敦史が言う。


「そいつを倒して帰ろう。皆が居る場所へ。皆お前の帰りを待ってるよ。」



敦史…。


私はバラクアの手を振り払い、腹を蹴り飛ばした。



『なっ…?!何するんだ!』


「風魔扇…如月。」


手元に風が集まり、如月を出した。


「あんたは敦史じゃない。本物の敦史は私の側に居てくれてる。私をずっと見てくれてる。あんたは…ここで消えなさい。」


私は如月を振りかぶった。