始末屋


勝たないといけないんだ。


倒さないといけないんだ。


あいつは敦史じゃない。


絶対敦史じゃない。


顔が同じなだけよ。



敦史と過ごした時間は私の中にちゃんとあるわ。


戦える。


何も考えるな!!



『本当は辛いんじゃないのか?』


バラクアが私に言う。


「辛くなんかないわ!!お前は敦史じゃない…。敦史はもう死んだ!」


『だが…見方を変えれば俺も敦史という人間だ。こいつの親やこいつを知ってる奴が見てもそう思うんじゃないのか?』


バラクアの言葉が私に重くのし掛かる。


『もう戦いを止めないか?確かにお前の仲間は先には進めない。だが…お前がここで暮らせばこいつと永遠に一緒に居られるんだぞ?だいたい不公平とは思わないか?お前の愛した者は理不尽に殺され…復活したのがデスアビスだ。

もし、お前の仲間が愛した者からうまくデスアビスの魂を取り出せたとして…お前はどうなる?デスアビスの為に死んでいった者達は生き返りはしない。その仲間だけが愛した者とその先を過ごせる。デスアビスに体を乗っ取られていたとはいえ…全ての元凶のその女はのうのうと幸せに生きる。

お前にそれが耐えきれるのか?』



止めて…。


もう喋らないで…。


私の心はバラクアによって乱されていく。


薫には幸せに生きてほしいの…。


私なんてもういい…。



―『涼風!!惑わされるな!!』―



『確かに俺はお前の思う敦史にはなれない。だが…お前が望むならばその敦史になってやろう。辛い戦いはしなくていい。』



バラクアは私の手を握った。



『仲間を助ける必要があるか?仲間の為に自分を犠牲にできるのか?お前はその強い力を利用されて呼ばれただけだ。いざお前が死ねば…役立たずのクズだと罵倒され…罵られるだけだ。

自分の幸せも考えればいいじゃないか。それの何が悪い。ここはお前の世界。決断するのはお前自身だ。』