バラクアの周りに風が集まっていく。
―『バラクア。久しぶりに聞いた名前ね。奴は風を使う悪魔の中でも上の方の存在。もちろん私よりも。』―
アイラよりも上か…。
でも絶対勝たないと薫の道が閉ざされる。
『考え事は終わった?』
バラクアは私に手をかざす。
『ウインドハンマー。』
風が私に向かって吹き荒れる。
ドゴッ!
「カハッ…!」
腹を鈍器で殴られたような痛みが走る。
―『あれは風を凝縮して一点に集めた技だ。私が教えた『風龍の咆哮』と同じ技のような物よ。』―
アイラが冷静に言う。
風龍の咆哮なんて…かなり力を溜めないと出せない技なのに……。
―『それだけの奴だよバラクアは。油断するな。まだ来るぞ?』―
バラクアは私の仕込みナイフを持って振りかぶっていた。
ガキンッ!!
扇子で何とか受け止めた。
『敵に武器を渡しちゃダメでしょ?』
そう言って私の腹を蹴り飛ばした。
「グフッ…!」
『安心しな。顔は傷つけない。後で楽しませてもらわないといけないしね。』
バラクアはナイフを舐める。
敦史……。
―『迷うな!!迷っていたら殺されるぞ!!』―
『ウインドナイフ。』
風の刃が体を斬っていく。
「くっ…!烈風!!」
扇子を振って突風を吹かせた。
バラクアがぐらついたのを見て、ナイフを投げた。
『リフレクトウインド。』
バラクアの周りに竜巻が巻き上がり、ナイフが私に向かってくる。
風で跳ね返した?!
向かってくるナイフを避けた。
『隙ありだよ。』
後ろからバラクアの声が聞こえた。
爆天してバラクアの肩を掴み、バラクアの後ろに移動した。
『反応はいいけど…どうやって俺に傷つける?防戦一方だが?』
バラクアは振り返って笑う。
