―その頃の始末屋アジト―
「取るよ?」
理恵ちゃんが言った。
「うん。いいよ。」
そう言うと、包帯が取れていく。
1日しか経ってないけど…大丈夫かな…?
集中してゆっくりと目を開けた。
すると太陽の光が目に入り、いつものリビングが見えた。
「…見える!見えるようになった!!」
俺はガッツポーズをして言った。
「よかったね!しかし…目が見えなくなったって薫から聞いた時はビックリしちゃった!」
理恵ちゃんは包帯をゴミ箱に捨てて言った。
「心配かけちゃってごめん。でも…これでもう大丈夫。これからは無茶しないようにするから!」
俺は笑って言った。
「焦らずに頑張ってね!優が居ないと薫も困るだろうし!」
理恵ちゃんも笑って言った。
「薫は?まだ寝てるの??」
俺は理恵ちゃんに聞いた。
「あれ?聞いてなかったの?何か…急ぎの用事があるから北海道に行ってくるってよ!明日には帰るって私は聞いてたけど?」
「えぇっ?!全然そんな話聞いてないよ?!」
理恵ちゃんの言葉に驚いた。
う~…。
薫は俺が居なくても平気なんだ…。
初めて薫に置いて行かれた…。
「心配だったのよ。目が見えない優を連れて行く訳にも行かないだろうし。それに明日には帰ってくるから大丈夫よ!」
落ち込んでいる俺に理恵ちゃんが言った。
「それにしても何か言って行けばいいのにさ!」
「急ぎって言ってたから言う暇がなかったんでしょ。そんなに落ち込まないの。」
そう言って理恵ちゃんは机にレシートや依頼の明細書を出して生活費を計算し始めた。
急ぎの用事って…3日後の戦いのことかな??
薫は連れて行ってくれるかな?
