「薫…。ありがとう。薫にはいつも教えられてばかりだね。」



玲央奈が俺を見て言った。



「それと…優。僕が幻魔眼でお嬢様が死ぬ幻を見せたのは…今のままじゃ何も守れないっていうのを教える為だった。ごめんなさい。」


玲央奈は優に頭を下げた。


「いいよ!自分の力の無さは痛感してるし。だから俺も頑張るよ!玲央奈君にも認めてもらう為に!」


優は玲央奈に笑って言った。



「さて…そろそろ出てこいよ!」


俺は気配を感じる場所に向かって言った。


すると、入り口から執事の菅原が現れた。


「あれ?愛ちゃんの執事さんだ。何でこんな所に…。まさか愛ちゃんが…!」


優は慌てたように言った。


「違うよ。その逆。









殺せなかったでしょ?三浦 愛を。」



玲央奈は執事を見て言った。


優と楓はわからない顔をする。



「…貴様…!三浦 愛に何か仕掛けたな!!」


執事は玲央奈に叫んだ。



「楓は誤魔化せても僕は誤魔化せないよ。どんだけ気配抑えても…あんたからは契約者の匂いがプンプンしてたもん。」


玲央奈が執事を見て言った。


「俺も何となく怪しいと思ってたよ。お前が愛と共に俺達に依頼してきて、俺が手紙の暗号を目の前で解いた時…お前は焦りもしてなかったよな?」


執事がしまったという顔をした。


「おかしくないか?普通はあんな暗号出てきたら焦るだろ。なんたってお前が仕えてるお嬢様まで狙われてんのがわかったんだ。焦らない方がおかしい。

てことは…そこまでの手紙の内容をお前が知ってたってことだ。」


俺は執事を指差して言った。



「知ってるよね?だって…手紙書く時あんた僕の真横で内容チェックしてたもんね~…。だから僕は文の暗号を作り…あんたが見終わった後に…裏側にこっそり暗号作っちゃいました♪」



玲央奈は笑って言った。