骸懺悔をしまい、俺はタバコをくわえて火をつけた。



「……僕……負けたんだ……。もう楓の隣には…居られないんだ…。」


玲央奈は静かに涙を流した。



「楓はお前を切り捨てたりしねぇ。存在意義なんて難しいこと考えんなよ。楓が好きなら楓と居ればいい。お前は…楓の妹を守れなかったのが心に残ってるから楓と居づらいんだろ?

でも…何でお前は自分も楓の大切な物になってるって考えないんだ。楓が大切にしていたのは…今でも楓の妹だけか?違うだろ。お前も同じように大切だから今もお前と一緒に居るんだろ。同じように大切だからお前が初めて戦った時…お前を怒ったんだろ。

玲央奈…もういい加減自分を許してやれよ。お前は今までよく頑張った。楓が認めないなら俺が認めてやるよ。今まで自分を追い詰めて辛かったろ?お前はここに居てもいいんだよ玲央奈。たかが俺に負けたくらいで…お前の存在意義は消えねぇよ。」


俺は煙を吐いて言った。


「そうや玲央奈!」


楓は倒れている玲央奈の方に向かい、玲央奈を抱きしめた。


「ありがとな。紅葉のこと背負ってくれて…。終わったんや敵討ちは。もう起きてしまったことや…。お前はあの事件から自分を責めすぎや。大丈夫や…。お前も俺の大切でかけがえない家族や。だから利用価値があるからとか…存在意義がないとか…そんな悲しいこと言うな。

俺はお前を許してる。玲央奈はずっと俺の隣に居ってもえぇから…そんな悲しいこと二度と言うな。」


楓の言葉に玲央奈は涙を流した。


「僕…!居ても…いいの…?楓の大切な物…守れなかったのに…!」



「アホやな…お前は。お前をそんなことで捨てたら紅葉から怒られるわ!もう気にすんな。守れんかったのは俺も同じやから…。」



楓がそう言うと、玲央奈は声を出して泣いた。