始末屋

ある程度先に行った所で涼風は座って、俺も少し離れた所に座った。


「今更お前と昔話かよ…。」


俺は頭を掻いて言った。


「そんなこと言うの?」


涼風は笑いながら言う。


それよりも…さっき斬った傷がもう塞がってやがる。


相変わらずおかしい奴。


「私もね…あんたと一緒である目的があるの。だから『アイラ』と契約して…距離もかなり近付けてる。偉そうなことあんたに言ってたけど‥私も私利私欲の為に悪魔と契約したわ。」



そんな話初めて聞く。


涼風は拳を握り締めて、空を見上げた。



「目的はね…。大好きだった彼氏を殺した奴を殺すこと。その為に…今まで死ぬ思いで頑張ってきた。でも情報は一向に入らないし…私の寿命は削られていくばかり…。

だから…こうなってほしくなくて、あんたにそう教えてきたわ。笑っちゃうでしょ?たかだか昔愛した男の為に…悪魔を背負って生きるなんて…。」



俺はタバコを吸って煙を吐いた。


――――――――――


―「君1人?なら私と遊ぼうよ!そしたら…私も寂しくないし、君も寂しくないよ!」―


―「薫…!薫は私の分まで…ちゃんと生きてね…?薫……大好き……!」―


――――――――――



「残念ながら笑えるほどおかしい話でもねぇよ。今愛してようが‥昔愛してようが‥愛したことには代わりはない。死んだ今でもそいつの為に努力してるお前を笑うことはできねぇ。

俺も目的の為なら背負ってやるよ‥この悪魔を…。どんだけ辛かろうが‥どんだけ苦しかろうが…その先に俺の求める物があるならそれでいい。俺はそれで死んでも構わないさ。」


そう言って煙を吐いた。


涼風は俺を見て優しく微笑み、頭を撫でてきた。


「見ない間にたくましくなったわね!」


「…涼風姉は小さくなったな。もっと大きかった気がする。」


そう言うと涼風は立ち上がって扇子を広げた。


「そろそろ行くわ!薫…あんたと私はもう師匠と弟子の関係じゃないわ。対等な人間よ。それじゃね!」



風が吹くと涼風は消えていた。


対等な人間…か。