フレイムゴッドが斬られ、体も腹を2回、腕を2回、足を2回斬られていた。
こんなに斬られてたんだ……。
最初の1回…鎧を斬ったのしか見えなかった…。
「優。お前はあのお嬢様を護りたいんやろ?人を護る言うんは簡単なことやない。俺の力でもまだ護られへんもんはたくさんある。失った物も山程ある。お前は背負えるんか?あのお嬢様のことを。」
楓は刀を突き付けて俺に言う。
「これから先…お前の力が及ばんでお嬢様が死ぬかもしれへん。今だってそうや。もしかしたら殺されてるかもしれへん。
手を抜くなや…優。確かに俺達は知らない同士の仲やない。一緒に戦ったこともある。けどな…お前の居る世界は昨日まで味方やった奴が急に敵になる世界なんや。それがお前の仕事や。
感情を押し殺せ。いらん思考は止めろ。お前の目の前に居る俺は…お前から奪った敵や。
お前は今まで…薫はんや涼風はん、あの親父から何を学んだんや?いい加減自覚せぇ。お前は優しいんやない。人に甘いんや。
薫はんを見てみろ。俺より若いのに…薫はんの肩には荷物ばっかりや。それを全部護ろうと頑張ってる。お前のこともや。
パートナー言うんは支え合う物やろ?薫はんの荷物をお前も少しは背負わんかい!薫はんだって全て押し殺して玲央奈と戦っとるんや!半端な戦いすんな。奪おうとする敵は殺しにかかれ!お前は始末屋やないんか!!」
楓は俺に怒鳴りつけた。
確かに…結局俺は何も学べてない…。
だからいつまでも自信が無いんだ。
感情を押し殺せ…。
戦いの記憶を奮い立たせろ。
俺は…『暴走天使』…城島 優だ!!!
シエルを出して、楓の体を斬った。
楓は驚いて後ろに下がる。
「後悔すんなよ?俺の中に眠る…暴走天使を引き出したんだからね。」
俺は楓を睨み付けた。
「それでえぇ。遠慮はなしや。本気でやろうやないの。」
楓は刀を構えた。
