玲央奈…。
何考えてんやろか…。


えらい素直に従うなと思ったんよ…。
こんなことやったんかい。



「確実に始末屋を殺せるんだろうな?」


朋樹は玲央奈に言った。


「仕事なら構わないよ。ただし…今すぐ2000万払ってもらうよ?小切手でも現金でもいいよ。それができない場合…僕達は依頼を受けない。」



拳を強く握る朋樹。


ダメや。
相手が悪すぎる。


こういう時の玲央奈に勝てる奴なんか居らんわ。



「菅原。小切手を出せ。」


「はい。」


菅原は朋樹に小切手を渡し、小切手に何かを書いて玲央奈に渡した。



「まいどどうも。」


玲央奈は小切手を確認してポケットに入れた。


「殺せなかった時は…わかっているだろうな?」



「お好きにどうぞ~。」



朋樹達はそれを聞いて廃工場から出て行く。



「玲央奈。無茶苦茶言いすぎや。」


俺は玲央奈を見て言った。


「当然の報酬でしょ。本気の薫達と戦えば…僕達でも無傷じゃ済まないよ?それに殺さないと困るのは向こうだし、薫達と戦ういい口実ができた。」



玲央奈は笑って言った。



「負ける…かもな。俺も本気出さな食われてまうわ。知っとるか?玲央奈。

こういう時のあの2人は敵に回せば恐ろしいで。雰囲気に飲まれてまうわ。レベルは格段に上がる。

一番怖いのは薫はんや。あの人は底が見えへん。会う度に強くなってる。今回ばかりはお前の相手…強すぎるで?」


そう言うと玲央奈が笑った。


「僕は負けないよ。負ければ…そこで終わりだ。」



玲央奈は拳を握って言った。