―パーティー会場近くの廃工場―
俺達は依頼人の待つ廃工場に着いた。
そこには執事の菅原と三浦 朋樹が待っていた。
「…お兄…様…?菅原…さん…?」
玲央奈に抱えられたお嬢様が朋樹を見て言った。
「依頼通り…黒き涙と三浦 愛。運んできたで。」
俺は黒き涙を朋樹に投げ、玲央奈はお嬢様を執事に引き渡した。
「ご苦労。関西一の実力は伊達じゃないようだ。」
朋樹は俺達を見て言う。
何かムカつく奴やな~。
「そんな大層な実力持ってません。まだまだ若いから伸び悩んでますわ。朋樹さんと違ってな。」
朋樹に嫌味を含めて言った。
「ふん。まぁいい。君達の仕事はここで終わりだ。約束の金だ。受け取れ。」
朋樹は小さなアタッシュケースを俺達に向かって投げる。
俺はそれをキャッチした。
「おおきに。」
「ちなみに言っとくけどさ。三浦 愛から依頼された始末屋だっけ?予想外に強いから僕達でも逃げるのに精一杯だったよ~!まだ生きてると思うからこっちに来るよ。」
玲央奈が言うと、朋樹は俺達に近付いた。
「何…?お前達はそれを殺さずにここまで来たのか…?」
朋樹が玲央奈を睨んで言う。
「依頼は黒き涙と三浦 愛をあんたの所まで運ぶこと…だったよね?僕達は別に始末屋を殺すことまでは依頼されてないし~。」
玲央奈は笑って言った。
「始末屋は必ずここに来るよ。でも…それをあんた達が止めれんの?無理だと思うな~。まぁ、僕達の仕事はここまでだし。関係ないからいいけどさ。三浦 愛ちゃんは始末屋に奪われる。残念だったね?」
玲央奈は愛に近付いて肩に手を置いた。
「あの始末屋…僕達が天国まで運んでもいいよ?その代わり…更に2000万出しな。それが依頼料だよ。」
朋樹は玲央奈を睨み付ける。
「依頼するかしないかはあんたの自由だよ。まぁ、依頼しなかった場合のその後なんて僕達には関係ない。その優秀な頭で少し考えてみれば?」
玲央奈は笑って言った。