玲央奈は後ろに跳んで避け、手を俺にかざす。


「毒よ…薫を包み込め。」


俺の真下から紫色の液体が出てくる。



下がって避け、絶望に闇を纏った。



「ブラックスライサー!」


絶望から黒い斬撃が放たれる。



バチィッ…!!


雷が黒い斬撃を打ち消した。



「玲央奈。もう時間や。依頼人の所行くで。」


楓が玲央奈に近付いて言った。


「今いいとこなのに…。」


玲央奈は爪をしまい、愛を抱えた。



「そいつは渡さねぇよ。」


俺は絶望を突き付けて言った。


「薫。暗号は解けた?」


暗号…。
まさか玲央奈が…??


「あぁ…解いたよ。全て理解した。」



そう言うと玲央奈は笑みを浮かべた。



「じゃああとは僕が確かめるよ。僕は薫の大切な物は殺さない。その代わり、今日の決着つけようよ。」



「わかった。それはお前に任せる。」



「約束だよ?この先に廃工場がある。そこで待ってるから。逃げずに来てよ?」



そう言って玲央奈と楓は闇の中に消えた。



俺は優の方に向かった。



「薫…愛ちゃんが…!」


「それは大丈夫だ。それよりお前…回復するのにどれくらいかかる?」


俺はタバコをくわえて火をつけた。


「…2時間はかかるよ…。でも早く行かないと…。」


優は立ち上がろうとする。


「大丈夫だ。無理すんな。今はゆっくり休め。俺も…休まないと戦えないレベルなんだからよ。」



俺は壁にもたれ掛かって座る。


優も眠りについた。



さすが楓と玲央奈…。


味方側についたらこれ程力強い奴らは居ないってくらいなのに



敵に回せば恐ろしいな。


さすがに俺達でもここまでやられるか…。


俺達はそれぞれ休め始める。