―薫―
俺は倒れている優の方に行き、しゃがんで頭を撫でた。
「よく頑張ったな。充分だ。ゆっくり休め。」
そう言うと、優は涙を流した。
「ごめん…!!結局…薫に頼りっきり…だね…。本当に…俺は…弱い…!」
泣きながら優が俺に言った。
「バーカ。俺が弱い奴と何年も組むかよ。あとは俺に任せろ。お前の大事な物は俺が護る。」
そう言って俺は立ち上がってタバコに火をつけた。
ポキッ…ポキポキッ…。
「さて…たっぷりお返ししないとな。優と遊んでくれたお礼をな。」
手の骨を鳴らしながら言った。
「あちゃ~…間に合わんかったか。」
楓が頭を掻いて言う。
「確認だけど…この子は薫の大切な優の大切な人だよね?」
玲央奈が愛を指差して言った。
「そうだよ。」
「そっか…。わかった。じゃあ…僕と戦おうか。この時を…ずっと待ってた。僕は薫の大切な物を傷つけた。戦う理由はあるよね?」
玲央奈が俺に言った。
「充分すぎる程な。」
煙を吐いて言った。
「紅蓮の笑い猫。」
玲央奈は俺に手をかざした。
俺は悪魔の腕にして鎌を生やし、後ろから近付いてくる紅い猫を斬った。
「やるぅ~♪♪時計ウサギ!!」
『忙しい忙しい!遅刻しちゃうよ!』
玲央奈が指を鳴らすと、ふざけた格好をしたウサギが時計を持って走ってくる。
『あぁっ!』
ウサギが転け、時計が俺の方に転がってくる。
俺は時計を蹴り飛ばした。
すると、時計は後ろの方で爆発した。
「さすが♪♪狂うた帽子屋!」
また指を鳴らすと、玲央奈の横にステッキを持ったタキシード姿の男が出てきた。
「首切り紅堕羅…断罪。」
断罪を出して攻撃に備えた。
