「ガハッ…!」
心臓に痛みが走り、膝をついて吐血してしまった。
残された時間は…もう少ないってことか…。
俺は手についた血を見て思っていた。
まぁ、今は泣き言を言ってる場合じゃねぇか…。
優の所に……行かないとな……。
立ち上がろうとするが、力が入らない。
ちっ…!
タバコをくわえて火をつけた。
一服して行くか…。
優の気配はまだ感じる。
まだ大丈夫か…。
「ガハッ!ゴホッ…!」
また吐血してしまった。
「薫…?薫…!!」
理恵が俺の方に来た。
「バカかお前…。早くこの場から出ていけって言ったろうが…。」
俺は理恵を睨んで言った。
「ごめん…。2人が心配で…。それより…」
理恵は心配そうに俺を見た。
「気にすんな…。何発か攻撃受けたからだ…。俺はいいからさっさと出ろ。まだ…仕事中…なんだよ…。」
俺は痛みをこらえて立ち上がった。
「本当に大丈夫…?死んだりしないよね?」
理恵がジャケットを掴んで俺に言った。
「この程度で死ぬかよ。わかったら離れろ。ここはまだ危険なんだ。お荷物抱えて戦える程俺は器用な人間じゃない。」
またタバコに火をつけて言った。
「わかった…。頑張ってね。」
そう言って理恵は出ていった。
全く…やせ我慢も…楽じゃねぇのに…。
俺は地面に倒れ込んだ。
早く痛みが治まれば…。
ん…?
優の気配が弱くなった…。
まさか…!!
俺はすぐに立ち上がって上の階に向かった。
