始末屋


―優―


「愛ちゃん!黒き涙はどこにあるの?!」


走りながら愛ちゃんに聞いた。


「3階の…真ん中の部屋にあるわ。」


俺はそれを聞いて、愛ちゃんを見た。


「ちょっと我慢してね…?」


「えっ…?」


愛ちゃんを抱えて本気で走った。



階段を上がり、3階の真ん中の部屋を蹴って開けた。



バチィッ!!


「なっ…?!」


開けた瞬間に雷が襲いかかり、もろに当たってしまった。


「優…!」


愛ちゃんが近付いて来る。


「近寄ったらダメだ…!」


そう言うと、愛ちゃんの足が止まった。


「いや~…案外あっさり成功するもんやの~。扇杜1の始末屋がそんなんでえぇんか?」


この声…。


ケースに入った黒き涙を持つ楓が部屋から出てきた。


「仕事上では初めましてやな。運び屋『DEVIL'S THUNDER』有村 楓や。依頼品の1つ…黒き涙は頂いたで?あとは…そこのお嬢様だけや。」


楓は愛ちゃんを指差して言った。


玲央奈君は居ない。


だったら…最悪な状況ではないか…。


俺は立ち上がって楓に向かって構えた。


「参ったな~。薫に知らせたら…依頼料上げろとか言うかもね。」


楓に向かって殴りかかった。


拳を避けられ、楓は蹴りかかってくる。


蹴りを腕で受け止め、手に持っている黒き涙を奪おうとした。


楓は下がって避け、ケースを床に置き、手の骨を鳴らした。


「さすがに片腕じゃしんどいわ…。いくで?召雷…地雷蜘蛛!!」


俺の真下から雷が蜘蛛のように出てくる。


下がって避け、炎の槍を浮かべた。


「フレアランス!」


炎の槍が楓に向かっていく。


「雷舞踊!!」


雷が落ち、炎の槍を打ち消す。


「優…遅いで?」


楓は一瞬で距離を詰め、俺の顔面に殴りかかった。


拳を受け止め、楓を壁に投げ飛ばした。



「まだ本気じゃないだけだし。」


そう言って楓に向かって構えた。